「肩の痛み」:五十肩(その4) |
前回までは『五十肩』に対する運動についてお話しました。 今回は『五十肩』のときの生活についてお話したいと思います。
『五十肩』は肩の周りにある組織が加齢によってもろくなり、痛みや炎症を生じ、組織が癒着して硬く縮んで動きが悪くなります。 急性期といわれる発症まもない時期は安静にして、肩関節周囲が熱いようでしたら少し冷やすと炎症がとれて痛みが少し軽くなります。
その後、積極的に肩を動かす時期になったら、肩を温めるという温熱療法が効果あります。具体的にいうとマイクロ波や赤外線、ホットパック、入浴などです。 肩を温めることで靭帯、腱、関節包などの組織が伸びやすくなり、運動・体操との併用で肩の動きを改善させる補助的な役割があるといわれています。また温めることで「爽快感」や「落ち着く」などの精神的な作用もあります。 入浴でも十分効果があるので、お風呂で十分に肩を温めることは大切です。
また、普段の日常生活で肩関節に負担をかけないように心がけることが『五十肩』の予防に役立ちます。コンピューターのキーボード操作などでは、手首をのせる台を使用することで肩関節への負担を減らします。
家事動作では『掃除機やモップがけ動作』のときに「たすきがけ」を行うことで肩・肘・手首と上肢の運動がスムーズに動き肩への運動の負担を軽くするといわれています。また『アイロン掛けや台所動作』で「脇があいた状態」や腕を持ち上げたままの動作は肩周囲の筋肉に過剰に負担をかけているといわれています。 その他「後方の物を取ろうとして腕を後ろに伸ばした」「無理な姿勢で腕を伸ばして物を持ち上げた」などの動作でも『五十肩』を生じることがあります。
『五十肩』の予防のため肩に負担をかけないように心がけてください。 |
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2008.3.25
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寺門厚彦 |
日本医師会認定スポーツドクター/日本競輪学校 校医
整形外科専門医/日本整形外科学会認定スポーツ医
順天堂大学リハビリテーション医学 准教授 |
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